虫歯がひきおこす“怖い症状”とは

顔のゆがみ、顔面神経麻痺

虫歯は治療せずに放置しているとどんどん進行していきます。症状が進むごとに虫歯の痛みは段階的に強くなり、最初は冷たいものがしみる程度だったのが、食べものをかんだときに痛む、熱いものがふれるとしみたり痛む、そして、最終的には何をしていなくても常に強い痛みを感じるようになります。虫歯の痛みは慢性的に続くため、虫歯にかかっている本人が意識していなくても自然と顔がひきつってきます。また、虫歯があると痛い方の歯でかまなくなり、片方の痛くない側だけで食事をするようになるため、あごの筋肉のバランスがじょじょに崩れ、片側だけ顔の筋肉がひきつっているような表情になることがあります。さらには、放置し続けた虫歯は歯の神経から根管内部、歯ぐき、あごの骨と侵襲を行い、骨髄炎をおこしたりあごの骨が細菌によって溶かされるケースもあります。これらのはいずれも放置していると顔がゆがんできたり、顔面神経が麻痺するなどの重い症状をひきおこすことがあるため注意が必要です。

感染症

虫歯はもともと、虫歯菌であるミュータンス菌によってひきおこされる感染症の一種です。ただし、その意味とは別に進行した虫歯が原因で虫歯菌が全身をかけめぐり、命にかかわる感染症をひきおこすケースがあります。放置した虫歯が原因で全身性の感染症をひきおこすケースはそれほど多くはないのですが、高齢者の方や病気で体力が弱っている方は免疫機能や身体の防御反応が低下しているため、進行した虫歯によって全身性の重篤な感染症を発症する場合があります。

心筋梗塞、脳梗塞

歯周病をひきおこす歯周病菌は心筋梗塞や脳梗塞と因果関係があることが研究によって明らかになりつつあります。そして、虫歯をひきおこす虫歯菌も歯周病菌と同様に心筋梗塞や脳梗塞などの病気の原因となるおそれがあることが指摘されています。虫歯菌と心筋梗塞と脳梗塞の関係はまだはっきりと解明された訳ではないのですが、虫歯菌が血液に乗って全身をかけめぐり、心内膜炎などの心臓の病気をひきおこすおそれがあるほか、脳の血管に移動した虫歯菌によって脳梗塞がおきる可能性があることが分かっています。このように虫歯は放置すると口の中の症状のみならず全身性の重篤な病気の原因にもなるため、虫歯があるときにはできるだけ早く歯科医院で診察を受けることを心がけるようにしましょう。早期発見と早期治療で虫歯を早い段階で治し、健康的な歯をいつまでも保つようにしてください。

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