お年寄り向けではない小児からできる鍼灸
鍼灸治療というと、おじいちゃん、おばあちゃんが好みそうなど大人向けの施術と思われている方が多いことでしょう。
ですが、東洋医学が発達している中国などでは極当たり前ですが、日本においても大阪を中心に関西地方において古くより小児鍼が活用されてきた歴史と実績があります。
子育てにストレスを感じるママやパパも多い時代ですが、小児鍼灸を通じて赤ちゃんが機嫌もよく、健やかに育つことでママやパパのストレス軽減にもつながるのです。
どんな症状に効くの?
赤ちゃんや小さい子供は肩こりなんて無縁だし、いったい何のために行うのと不思議に思われるかもしれません。
そもそも、肩こりや腰痛といった症状を鍼灸を行うことで直接治るわけではありません。
なぜ、症状が改善されるのかといえば、鍼灸の刺激で血液循環がよくなり、自律神経やホルモンバランス、内臓や筋肉の働きが活性化されて、体本来が持つ機能がしっかり働くようになり、自ら治ろうとする自然治癒力が高まるためです。
鍼灸の醍醐味は気になる症状を直接治すのではなく、体全体の機能を高めて自らよくなり、元気になる力が備わることにあります。
そのため、赤ちゃんなどお子様に行うと巡りがよくなり、体質改善や健康維持、体力増進などに役立つのです。
活用事例としては、夜泣きや癇癪、おねしょなど自律神経の乱れや精神的な面からくる小児に特有の症状や、お腹が弱い、食欲がない、直ぐに風邪をひくといった虚弱体質の改善、また、喘息などの慢性疾患やアトピーなどのアレルギー疾患の緩和にも有効です。
アトピーなど原因が明らかになっていない現代病には、体の抵抗力を高め、自然治癒力を高める鍼灸が力を発揮できます。
子供でもできるの?
子供の健やかな成長をサポートするとはいえ、鍼を打つなんて子供が嫌がって難しいのではと思われるかもしれません。
ですが、小児鍼灸では大人向けとは違う小児専用の鍼を使います。
大人向けはツボに実際に刺すタイプですが、小児の場合は肌をなでるような形で刺激を与えるタイプになっていて、ツボに刺すことはありません。
鍼のような細長い棒でさすったり、押したりするような方法で皮膚から刺激を与えて血流を促したり、自律神経のバランスを整えていくという方法になります。
そのため、0歳児からでも可能で、夜泣きや疳の虫、おねしょなどの緩和や改善に相談に訪れる方も少なくありません。