虫歯の正体

虫歯とは?

むし歯は世界で最も多い疾患として知られております。未治療のむし歯は日本でも多くの人に存在します。近年では高齢者において、むし歯は増加しています。むし歯は細菌が糖質をもとに作り出す酸が歯を溶かすことで生じます。
多くのむし歯は歯の間や奥歯の溝から発生します。特に溝の細菌は歯磨きでは取り除けませんので、歯磨きをしていればむし歯が防げるという常識は現在では正しくないことが分かっています。
さらに生物医学的原因だけでなく、社会環境・生活環境の重要性が認識されつつあります。歯磨きをしていても、虫歯になるということは、しなかった場合どれだけ虫歯になりやすいかということがよくわかります。歯磨きはそれだけ重要なことなのです。

虫歯の原因、進行

歯の表面のプラーク(歯垢)の中には細菌が存在します。細菌は飲食物の中の糖分を摂取、分解して酸を出します。コーラを飲みすぎて歯が小さく溶ける、みたいな画像がネットであります。酸にはそれだけ恐ろしい力があります。
唾液は、カルシウムやリン酸を含んでおり、これらが脱灰された歯を修復(再石灰化)します。しかし、糖分の摂取が頻繁で、再石灰化が間に合わずに脱灰された状態が続いてしまうと、その部分はそのうち崩壊することとなります。これがむし歯です。
むし歯により崩壊した歯質は、再石灰化等により自然に回復することはありません。だから、むし歯の穴を埋めて修復する歯科治療が必要になります。また進行したむし歯では、歯の神経にまで細菌が達することもあります。こうなると歯の神経を抜く大掛かりな治療が必要になります。さらに進行した場合には、根元にまで細菌が達して病巣ができ、その結果歯肉から膿が出ることもあります。この場合歯を抜かなくてはならないのです。

虫歯の特徴

むし歯は多くの人が生涯のうちに一度はかかる疾患です。痛みを伴い、自然治癒をしないため治療が必要になります。一般的に小児に多い印象だが、大人でもよく発症します。
むし歯の治療は、崩壊した歯質を歯科材料で置き換えるのが主な方法であり、元の健全な歯に回復するわけではありません。そのためむし歯を数えるための代表的な指標であるDMF歯数では、むし歯やむし歯が原因で喪失した歯に加えて、治療済みの歯もむし歯としてカウントします。虫歯は減ることなく、増え続けるとことになります。
また、むし歯の治療に用いた歯科材料と歯との隙間に細菌が侵入して、虫歯の治療が終わったとしても、またそこから虫歯になる可能性はあるということになります。

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