歯科医師の勤務先

歯科クリニック

2016年に厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、歯科医師の約85%は歯科診療所で就労しています。さらにその85%の内訳をみると、内57%が開業医で、28%が勤務医という割合となっています。
また、国家試験合格者数の減少などを背景として、歯科医師の平均年齢は高くなってきています。歯科クリニックで従事する歯科医師も例外ではなく、2016年時点の平均年齢は52.9歳となっています。少子高齢化に伴い、これからもっと平均年齢は高くなると予想されます。

病院(大学付属病院)

歯科大学や歯学部のある大学では、多くの場合は付属病院を持っており、1年の臨床研修を終えたのち、そのまま系列病院の医局に入ったり大学院に進学したりするというケースもあります。歯科診療所に比べて平均年齢が若い背景には、こういった理由も影響しています。
また、大学付属病院では医療における研究が日々進められているため、最新の医療知識や技術を幅広く身に着けることができます。それによって、さらなる技術力の向上、新しい知識が蓄えられるということに繋がります。医療人として、新しい何かを学習したい、覚えたいという探究心が芽生えるのは当然のことです。つまり、モチベーション維持、またはアップにも繋がるということです。

公務員

実は公立病院等で働く場合は公務員という扱いになります。公務員の歯科医師として働くためには、それぞれの採用選考を通過する必要があります。
また、公立病院以外にも厚生労働省や自衛隊などで働く歯科医師もいます。厚生労働省では「医系技官」、自衛隊では「歯科医官」と呼ばれ、それぞれとても有望な就職先ですが応募者も多く難関とされています。

医系技官

人々の健康を守るため、医師免許・歯科医師免許を有し、専門知識をもって、保健医療に関わる制度づくりの中心となって活躍する技術系行政官のことです。プロジェクトを動かしていく行政官にはマネジメント能力が必要。。同時に、医師の専門性も重要です。 公衆衛生のスキルについては仕事をしながら専門性を深めていきます。また、公衆衛生政策を学ぶための留学の機会が多くあります。
初めてきいたと思った人も多いと思います。なぜなら、 医系技官を含め行政機関ではたらく医師は全体の0.5%ほどで超マニアックな職種です。

歯科医官

歯科医官とは、歯科医師の資格を有する陸・海・空自衛隊の幹部自衛官のことです。自衛隊病院又は医務室での歯科診療と健康管理が主な仕事となります。また、階級が上がるに従い、衛生隊長等の指揮官配置や各幕僚監部における行政配置も経験するようになります。診療は保険診療の範囲内において、主に自衛隊員やその家族に対して診療を行い、一部の自衛隊病院では民間人も受診することができ、費用は自衛官については全額国費で賄われ、個人負担はないとのことです(「療養の給付」による)。

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