虫歯を放っていたら痛みが酷くなった!
虫歯かもしれないけど、まだ大丈夫だろう……そうやって治療を後回しにしていると、虫歯はどんどん進行していきます。時間が経つほど、細菌が出す酸液によって歯は溶けていき、やがて歯の神経が炎症を起こしてしまうこともあります。そうなってしまった場合には、「歯内療法」という治療を受けることになります。
歯内療法ってなに?
簡単に言うと、「歯の根っこ」の治療です。歯の内部は血管や神経といった柔らかい組織で出来ており、これを歯髄といいます。この歯髄で炎症や細菌感染が起きている際に行う治療の事を歯内療法といいます。
歯髄が炎症になる原因は虫歯だけはなく、例えば転んでしまった際などに歯に衝撃を受け亀裂が入ってしまい、そこから炎症が起きるというパターンもあります。この炎症を放置しておくと、歯の痛みはもちろん、範囲が拡大したり歯肉が腫れたりする症状がおこります。酷くなっていくと熱を伴う痛みに変化し、顎の下のリンパが腫れることもあります。
詳しい処置の方法
まずはX線撮影で歯の状態を詳しく診ます。その後、神経などに細菌が住み着いているため傷んだ歯髄の除去を行います。これは神経を完全に除去してしまうものではありません。その後は清掃や整形を行い、最後に充填剤という詰め物をすることで残存する歯髄を保護し、必要な機能を維持させます。処置終了後も、細菌感染が起きていないかを確認するために定期的に検査を行います。
治療中、治療後なのに痛い……
神経に潜む細菌の除去などを行う際、一時的に細菌が体内へ侵入してしまうことがあります。すると体内で免疫反応がおこり、しくしくする(強くはないがずっと続く)痛みが起きたり、歯肉が腫れたりします。通常は一週間ほどかけて自然と収まっていきますが、この症状が起きる可能性には個人差があり、全くない人もいれば激しい痛みや腫れになる人もいます。症状がひどかった場合は、抗生物質や痛み止めの処方などを行います。なお、こういった症状が起きても治療に影響はありません。安心して治療を受けましょう。
治療後は神経が過敏になっているため、噛むと痛むなどの症状が出ることがあります。これも通常は自然に治まっていくものですが、さまざまな原因により細菌の感染や炎症が再発している可能性もあるので、注意深く様子をみていく必要があります。痛みが気になる場合は医師と相談しましょう。