本来は「ほねつぎ」ながら、補助的なマッサージも可能
整骨院のルーツは柔道の「整復」で、「ほねつぎ」と言われるような手技による骨折や脱臼、捻挫の回復に寄与することが本来の技術です。
しかし、当然捻挫などの炎症を抑えたり、筋肉をほぐしたり血流をよくしたりということで、指圧やマッサージなどが効果的になることは少なくありません。
そのため、国家資格の柔道整復師を取得している方は、治療の際にそうした補助的なマッサージを行うことも認められています。
肩こりや腰痛などの症状を抱えている方にも、同様に整復とマッサージを並行して行うことが、その症状改善の助けになることが多いでしょう。
「マッサージ」での健康保険は、柔道整復師の場合不可
しかし、マッサージそのものを目的として柔道整復師のいる整骨院を利用する場合、健康保険の適用はできません。
腰痛や肩こりなど、日常的、慢性的な痛みに関する治療も、整骨院では健康保険の適用外となってしまいます。
いわゆる「あんまマッサージ」を受けて健康保険が適用となるのは、あんまマッサージ師の施術を受ける場合となります。
その場合も、マッサージならなんでもOKというわけではなく、医師から同意を得た筋麻痺などの治療に限定されます。
慰安のためのマッサージ、疲労回復目的のマッサージは、整骨院を含め、どんな施設でも健康保険がききません。
腰痛、肩こりといった症状に対して健康保険が下りるのは、指圧やマッサージではなく鍼灸院での治療となります。
手技による治療は、柔道整復師の技術力に差が出る
マッサージを含めた手技は、西洋医学の範囲ではなく、柔道整復師の経験や技術で施術を行う部分です。
マシンの場合、出力や施術箇所を間違えなければ誰がボタンを押しても一定の効果が得られます。
しかし、手技では力の入れ具合など、すべてが整復師の技術力の差が如実に表れます。
どこが原因で痛みがあるのかを感じるために行う問診や触診も、柔道整復師の腕の差が出ます。
ですから、長年臨床経験があって、口コミなどで評判の良いところに患者さんが多く集まる傾向にあります。
歯科クリニックなどは、新しくきれいで設備が整っているといったことがウリになることが多いです。
しかし、整骨院の場合は柔道整復師個人の評判が評価に直結することが多く、地域で長く信頼されている施設が強い理由にもなっています。